よもぎ流 CGメイキング

2009年版
・手順1(PCで描線を完成させる)
手順2(ベースの色を塗る)
・手順3(重ね塗り・画像の加工)
・手順4(仕上げ・完成)

2004年のCGメイキングを公開後、いろいろと試行錯誤を続けてきました。
今回は、その試行錯誤から身につけた便利ネタを中心に、
2009年現在のCG制作過程をご紹介します。(09/05/09)

「聖闘士星矢の二次創作」かつ若干「女性向けの絵です。
そういうのがお嫌い・苦手な方はご注意ください。

使用ソフト
・Adobe Photoshop CS3  ・Adobe Illustrater CS3


【作業手順の概要】
1 PCで描線を完成させる 
(Photoshop・Illustrater作業)
2 ベースになる色を塗る 
(Photoshop作業)
3 パーツごとに色を重ねたり、各レイヤーの加工を行う 
(Photoshop作業)
4 背景画像との合体と最後の仕上げ 
(Photoshop作業)

★2012年版メイキング(デスマスク)を作りました(2012/7/14)
ミロとカミュを描いてみます
モデル:黄金聖闘士・蠍座ミロと水瓶座カミュ


手順1 PCで描線を完成させる

最近は鉛筆で描いたラフ(下絵)を
イラレでトレースしたものを描線として使っています。
描線作成までは一般的な方法ではないので、まあ、こんな方法もあるんだな〜という感じでご覧ください(^^;


*描線が完成している場合は、手順2からご覧ください。



1 下絵の取り込み (スキャン)

下絵(ラフ)はA4判の紙にシャープペンシルで描いたもの。
ご覧のとおりの殴り書きでして、これをこのまま描線にするには迷い線が多すぎるし、何度も消したので毛羽立って真っ黒。なので、これをもとにPCでトレースすることにします.

*背景は別の画像を合成する予定なので、下絵には描きこみません。


<手順>
・フォトショを立ち上げる
・「
ファイル>読み込み」でスキャナー起動
・グレースケールモード、解像度100〜150dpi程度で取り込み
・ファイル保存(
下書き.bmp

 *フォトショファイル(psd)で保存できるかと思ったら、スキャナが勝手にビットマップファイル(bmp)にしてしまいました。どちらでも大丈夫ですけどね。

ラフ絵
▲シャープペンシルでざっと描いた下絵(A4判)

2 描線の作成 (イラレでのトレース)

イラレ
での描線トレース作業に取り掛かります。
フォトショ
のパス機能でもトレースはできますが、イラレの方が線の太さや、後からの描線の微調整がいくらでもできるという利点があります。
イラレ操作は慣れるまで苦労しますが、出来上がり線の美しさは、病みつきになります。


<手順>
(1)準備
 ・イラレを立ち上げ、新規書類(A4判タテ・CMYKモード)を開く。
 ・開いた新規書類に、フォトショで保存した下絵ファイル(下書き.bmp)をテンプレートとして配置。

(2)トレース
・線の色と太さ
 【線の色:黒  太さ:輪郭線=1pix(基準) 塗り:なし】

 *髪や服のしわのような弱い線は0.75〜0.5pixぐらいの太さで。0.25pixだと細すぎるようです。
 *まつげは、「描線なし&塗りつぶしあり」で。
 *描線にメリハリをつけたい場合(顔の輪郭など)は、描線のパスをアウトライン化(線ではなく面として扱う)して、手動で太細をつける方法もありますが、すっごく手間がかかるので、ほとんどやりません。

・レイヤーは分けておく
人物(顔)、服、髪など、パーツごとレイヤーを分け、ロックをかけて作業を行うと、余計なパスを引っかけたりしません。

#パスって動きやすいんですよね;

・線を引くツール
ペンツール、鉛筆ツール、円形などの図形ツールなどを組み合わせて線を引きます。
重なる部分は、あとでハサミツールなどで切り取るか、次のフォトショでの作業で削り取るので、この段階ではあまり考えずに、どんどんトレースを進めます。
 
*隙間が空いていると自動選択ツールが使えなくなるので、むしろ重ねて描いておいた方がよいかも。


イラレでのトレース作業
▲パスで髪の描線を引いているところ。人物の輪郭(1pix)より細い線く(0.75pix)で。うっすら見えるのがテンプレートとして配置した下絵.psd


(3)ファイルの保存
 完成した描線のファイルに名前をつけて保存。(下絵.ai





参考までに、私がイラレで使う機能は、この程度です。
あとは 「はさみツール」ぐらいか....
(全然使いこなしてませんね;)
イラレのツール

3 描線の補正と完成

再び
フォトショを立ち上げ、描線の補正をします。

(1) イラレで描いた描線ファイル(下絵.ai)をフォトショで開く
このとき、自動的に
ラスタライズという操作が行われます。
この段階で
【解像度300〜360dpi、RGBカラーモード】にしておきます。
 *印刷するためには300dpi以上必要なので。
 *RGBモードへの変更は、描線を補正した後でもできます。


下の画像が下絵ファイルをフォトショで開いた状態です。
テンプレートとしたラフ絵以外の、イラレで描いたすべての線が一枚のレイヤーにまとまって開きます。
新規文書ではないので最初から普通のレイヤー扱いです。
ここでレイヤーの名前を
描線レイヤーとしておきます。

*このとき
イラレで「塗り」を指定したパスがあると、その部分が白塗り状態となっているので、フィルター(Transparency⇒Luminosity⇒Opacity)か、白部分を選択して削除するなどして、描線だけのレイヤーにしておきます。


(2)白レイヤーの配置
作業をしやすくするために、全体を白で塗りつぶしたレイヤー(
白レイヤー)を作り、一番下に配置しておきます。

フォトショで開いた状態。髪の毛と顔などの描線が重なってます。描線レイヤーの下に白レイヤーを置いておくと作業がラク


(3)描線の補正・完成

作業しやすいようにズームした状態で、
消しゴムツール(不透明度100%)や各種選択ツールを使って不要な線を消去するなどして、描線の重なりやはみ出しなどを丁寧に消していきます。
*描線の端を鋭角に削っておくと、出来上がりがシャープになるようです。
(そんなところまで見えないのかもしれませんが、なんかクセになってしまって...)

描線が切れている場所は、
ペンツールやブラシツールで補正します。

描線完成
▲補正完了。髪と目や衣装との重なり部分を整理するほか、絵全体の輪郭をトリミングしました。


ここまでの作業が済んで描線が確定したら、
描線レイヤーをロックしておきます。



【おまけ】 聖衣の光沢を描く

私が「聖闘士星矢」の原作で一番ハマった聖衣の光沢。
以前は描線扱いにして、上の描線ファイルに合わせて描いていたのですが、どうも一つのパーツとして扱った方がよさそうなので、現在はフォトショのほうで、描線とは別のレイヤーに描いています。

光沢は、
光沢用の下絵レイヤーを作り、そこへフリーハンドのブラシツールで大体のあたり線を赤で描き(左図)、その上に乗せた光沢レイヤーに、パスの塗りつぶし機能を使って描いています。(右図)

それにしても、ホントにこの光沢の視覚効果はすごいですよね〜。

光沢用下絵レイヤー。光沢はペンタブでフリーハンド
▲光沢下絵レイヤーに直接赤で書き込み
パスを使って塗りつぶして光沢完成
▲パスを使ってトレース。赤のレイヤーはご用済みなので削除



これで描線の準備ができました。次は塗りに入ります。⇒ 手順2 色を塗る へ

TOPへ戻る

inserted by FC2 system