よもぎ流 CGメイキング

2004年版
・手順1(下準備:描線を描く)
・手順2(基本的な下塗り)
・手順3(瞳と髪を描く)
・手順4(背景と仕上げ)


私の場合、思いつきや行き当たりばったりでCGを描いていますので、作業効率もよくないですし、あまり参考にはならないかもしれません。
でもまあ、何か一つでも「へぇ〜」と思っていただければと、CGの作業工程を公開することにしました。(2004年春)

使用ソフト
・Adobe Photoshop 6
・Adobe Illustrator 10



★このあとに作ったメイキング
2009年版メイキング(ミロ&カミュ)〜見ようによっては女性向け
2012年版メイキング(デスマスク)

この絵を描いてみます
今回のモデル:チェーザレ・ボルジア卿


手順1 下準備:描線を描く
最近はシャーペンで殴り書きした程度の下絵を、イラレでトレースしたものを正式な描線として使っています。
描線作成までは一般的な方法ではないので、こんな方法もあるんだな〜という感じでご覧ください(^^;

#フォトショのみを使われる方は、手順1の3の後半あたりからご覧ください。

1 下絵の読み込み(スキャン)
今回の元絵は、A4判の紙にシャープペンシルで描いたもの。ご覧のとおりのホントの殴り書きです(^^; 
背景に至っては「あとで考えよう」ということで、何も描かれていません(…ホントに行き当たりばったり)
鉛筆での下書き状態

下絵の読み込み・保存
フォトショ
で画像を読み込みます。
取り込み時のモードはグレースケール。解像度は、これを参考にイラレで描線を起こすだけなので低くて充分です。(今回は150dpi。もっと低くてもいいかも)

描線はあまり細かく取らないつもりなので、この段階でスキャンしたものも絵の概略がわかればOK。薄い場合は色調補正でコントラストを強くしておきます。

フォトショファイルとして保存します。(下書き.psd、997KB)
2 描線の作成(トレース)
次は、イラレでの描線作業に取り掛かります。以前は、フォトショにあるパス機能で描線を描いていましたが、イラレの方が線の太さや後からの描線の微調整がいくらでもできるという利点があります。

イラストレーターで読み込んだところ

(1) イラレでのトレースの準備
イラレを立ち上げ、新規書類(A4判タテ)を準備。
・開いた新規書類に、フォトショで保存した下絵ファイル(下書き.psd)をトレース原稿として配置します。

<初心者へのイラレのアドバイス>
*下書きファイルを配置するときは
テンプレートにチェックしておきます。テンプレートにしておかないと普通のレイヤー扱いとなり、トレース作業の邪魔になります。

この絵のような上部に絵(描線)が無い構図の場合は、必ず絵の全体部分を四角で囲っておく。そうしないと、次の作業段階でフォトショで開こうとしたときに描画したところだけ(人物の部分だけ)のファイルとして認識・保存されてしまうんですよね。(よくわからんソフトだな)
描線のトレース作業

(2) トレース
線:黒、1pix、塗り:なしモードで、ペンツールを使ってトレースしていきます。線が重なる部分は、あとでフォトショ上で消すので、この段階ではあまり考えずに、どんどんトレースを進めます。
*描線に隙間が空いていると、あとで自動選択ツールが使えなくなるので、きっちり描いていきます。
(3) トレース線の太さ調整
髪や服のしわのような弱い線は、線の太さを0.75〜0.5pixに変更しておきます。
(4) 描線ファイルの保存
完成した描線のファイルを名前をつけて保存します。(下絵.ai 218KB)

3 描線の調整


(1) 描線のフォトショへの取り込み(ラスタライズ)
再びフォトショを立ち上げ、2で保存したイラレファイル(下絵.ai)を開きます。このとき、自動的にラスタライズという操作が行われます。ちょっと時間がかかります。
なお、この段階で
解像度を360dpi、RGBカラーモードにしておきます。
(2) 左が描線ファイルをフォトショで開いた状態です。
新規文書ではないので最初から普通のレイヤー扱いです。
ここでレイヤーの名前を
描線レイヤーとしておきます。
*このとき
イラレで塗りを指定したパスがあると、その部分が残ってしまうので、そのときはフィルター(Transparency⇒Luminosity⇒Opacity)で描線だけのレイヤーにします。
(3) 白レイヤーの配置
描線の微調整作業をしやすくするために、白で塗りつぶしたレイヤー(
白レイヤー)を作り、一番下に配置しておきます。
(4) 描線の補正
ズームした状態で、
消しゴムツール(不透明度100%)で描線の重なりやはみ出しなどを丁寧に消していきます。逆に描線が切れている場所は、ブラシツールやペンツールで補正します。

作業が終って描線が確定したら
レイヤーをロックしておきます。

4 描線の色の変更
描線の色を茶に変えたところ 描線の色を茶色に変更
ロックをかけた描線レイヤーを描画色:茶色で一気に塗りつぶすと描線だけが茶色くなります。
今後、パーツごとに描線の色を変えていきますが、最近は最初に全体を茶色にしています。黒に比べて全体がソフトになるので、何となく落ち着くような気がするんですよね〜(笑)

このとき、選んだ色を描線の色にしたいので
通常モード、100%で塗りつぶしています。乗算モードだと元の色より濃くなってしまい、思ったとおりの色が出ないようです。
描線レイヤーの位置
私の場合、描線レイヤーは基本的に乗算モード・不透明度70%前後、位置は一番上に置いています。(ただし目と唇とハイライトのレイヤーは描線のさらに上に置く)


これで描線の準備ができました。次は塗りに入ります。⇒ 手順2 基本的な下塗り へ
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